「うちの子、ゲームになるともう夢中で・・・」というお母さんの声をよく聞きます。どんな子にも夢中になる、いわゆる「ハマる」という現象は起こります。それに大きく関わっているのが、「ドーパミン」という脳の神経系です。嬉しい時や楽しい時など「快」を感じると、このドーパミン神経系が反応し、その快感を繰り返し味わおうとすることが「ハマる」ということです。
シュルツという博士が猿に行った実験で、ランプが着いた時に猿がボタンを押すと、ジュースがサルの舌に落ちるという仕組みを作り、ドーパミン神経系の反応を測定しました。甘いジュースが味わえた時にドーパミン神経系が反応する現象から、何度も繰り返すうちに、ランプが点灯しただけで、ドーパミン神経系が反応するようになります。ボタンは行動で、ジュースが報酬です。
子どもにとっての一番の報酬は「褒められる」ことですから、行動=そろばんをする度に「すごいね~」「よくできるね」「えらいね~」と褒めてあげることで、そろばんを見ただけでドーパミン神経系が反応するようになります。すなわち、自らすすんでそろばんを練習したくなる=ハマるということになるのです。
勉強でも、お手伝いでも子どもが望ましい行動をした時に、沢山褒めてあげれば良いというわけですね。「な~んだ、簡単」と思われたかと思いますが、大人は欲張りですから、せっかくやる気になっている子どもに「あともう少しやりなさい」(強制)とか、「やるのはいいけど片付けが下手」(批判)などと言ってしまいがちなもの。子どもがハマるぐらいの褒め上手にならなければいけませんね。